『ウミンチューのミーカガン せかいをうつす』 さく・え:sava

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色とりどりの魚に、波を穏やかにするサンゴ礁、

竜宮伝説を思わせる海の中の世界は

まるで宝石の詰まった海の宝箱です。

はるか昔からおきなわの豊かさは、海にありました。

糸満では、昔から漁業が盛んでした。

男たちは朝からアコークローまで海へ出て網を引き、パンパン叩いて魚を驚かせ網の中へと魚を追い込みます。

しかし体も目も守っていないウミンチューたちは、毎日の漁で塩水が入り目が枯れてとても痛い思いをしていました。

こどもたちもおっとうの船がつく港で一日中あそび、目が焼け、痛くなりました。目やにがたくさん出て赤くなったこどもを、ミーハガー(目がはげた=目が痛い)なんて呼んだりもしたんだどか。

糸満の村では視力も悪くなり海の中の魚を見つけることができなくなる漁師が増えてきたことを心配し、どうしたらいいものか、と考えました。糸満の漁師でもあるたまぐすくやすたろうは、手に入りやすい芋をくりぬき、ガラスをはめて網でぴったり顔にくっつける水の中のメガネ、『ミーカガン』を考え出しました。

「今日はどの魚をとろうかな、黄色に青に赤色の魚 タマンにイラブチャー

おっとサメも現れた

でも大丈夫、このミーカガンをつけていたら

どこまでも透き通る海の向こうまで ぜんぶぜんぶ見れるね。

かげにひそんだ伊勢海老も、海の底の貝殻も

たくさんたくさんとれるね。」

やがて芋から海沿いに生えているモンパの木へと改良され、ミーカガンは瞬く間に広がり、糸満から日本各地、

そして南は旧南洋諸島まで、世界の海で広まりました。

糸満の漁師さんはサバニを漕いで渡り、ミーカガンをつけて世界のウミンチューとなったのです。

ゴーグルの元祖と言われているミーカガン。そんな目のかがみが映す豊かな沖縄の海。

その海とともに生きる糸満の人々。

南へ世界へ海をあるくウミンチューの旅は、このミーカガンからはじまりました。



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